Ubie(ユビー)とは?テクノロジーで医療体験を変える注目企業
Ubie(ユビー)は、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というミッションを掲げる、日本のヘルステック企業です。現役の医師とエンジニアが2017年に共同で創業し、医療現場の知見と最先端のテクノロジーを融合させたサービスを展開しています。Ubieが提供するサービスは、大きく分けて2つの柱から成り立っています。
一つは、一般の生活者(患者)向けの「症状検索エンジン ユビー」。もう一つは、医療機関向けの「ユビーAI問診」です。これらのサービスは、患者が自身の症状を理解し、適切な医療機関へスムーズにアクセスできるよう支援すると同時に、医療現場の業務負担を軽減し、診療の質を向上させることを目的としています。
Ubieは、誰もが安心して医療を受けられる社会を目指し、AI(人工知能)を活用して医療の様々な課題解決に取り組んでいます。その革新的なアプローチは国内外から高い評価を受けており、日本の医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を牽引する企業として大きな注目を集めています。患者と医療機関、双方にとって価値のあるプラットフォームを構築することで、Ubieは未来の医療インフラを創造しようとしているのです。
【使い方】症状検索エンジン「ユビー」でできることと活用法
「症状検索エンジン ユビー」は、気になる症状から関連する病名や適切な診療科を調べられる無料のWebサービスです。スマートフォンやパソコンからいつでも手軽に利用でき、病院に行くべきか迷った時や、どの診療科を受診すれば良いかわからない時に非常に役立ちます。このサービスの最大の特徴は、AIを活用した対話形式の症状チェック機能です。
利用者は、まるで医師の問診を受けているかのように、表示される質問に「はい」「いいえ」「わからない」などで答えていくだけ。年齢や性別、具体的な症状に関する約20の質問に回答することで、AIが5万本以上の論文に基づき、考えられる病気の可能性や、関連する医療情報を提示してくれます。質問に答え終わると、症状に基づいた病名のリファレンスリストが表示されます。
それぞれの病名をクリックすると、どのような病気か、どのような症状が現れるかといった詳しい解説を読むことができます。さらに、その症状に対応している近隣の医療機関を検索し、そのまま受診予約まで進める機能も備わっています。これにより、症状の把握から医療機関の選択、予約までをシームレスに行うことが可能です。
具体的な活用法としては、深夜の急な発熱や子どもの体調不良など、すぐに病院に行けないが不安な時に、まず情報を得る手段として使えます。また、複数の症状があってどの専門医に相談すべきか判断に迷う場合にも、適切な診療科を知るためのガイドになります。受診前にある程度の情報を整理しておくことで、医師に症状を的確に伝えやすくなるというメリットもあります。
ただし、ユビーはあくまで情報提供ツールであり、医学的な診断を行うものではないため、最終的な判断は必ず医師に相談することが重要です。
医療現場のDXを推進する「ユビーAI問診」の導入メリットと実績
「ユビーAI問診」は、医療機関の業務効率化と診療の質向上を目的とした、SaaS型のサービスです。患者は来院前や院内の待合室で、自身のスマートフォンやクリニックに設置されたタブレットを使い、AIによる詳細な問診に回答します。これにより、従来の紙の問診票で起こりがちだった記入漏れや、判読しづらいといった問題を解決します。
このサービスの導入メリットは、医療機関と患者の双方にあります。医療機関側にとっては、まず問診にかかる看護師などのスタッフの業務負担を大幅に削減できる点が大きいです。問診結果は自動で電子カルテの形式に変換・連携されるため、医師は診察前に患者の情報を詳細に把握でき、より本質的な診察に時間を集中させることができます。
AIが症状に応じて質問を深掘りするため、問診の精度が標準化され、見落としのリスクも低減します。一方、患者側のメリットとしては、自宅などリラックスできる環境で、時間をかけて問診に回答できる点が挙げられます。焦って症状を伝え忘れる心配がなく、診察時には問診結果をもとに医師とスムーズにコミュニケーションが取れるため、満足度の高い医療体験につながります。
待ち時間を有効活用できる点も、患者にとっては嬉しいポイントです。「ユビーAI問診」は、すでに全国1,700以上の医療機関(2023年時点)で導入されており、その実績は高く評価されています。クリニックから地域の基幹病院まで、様々な規模の医療施設で活用が進んでいます。
導入した医療機関からは、「問診時間が3分の1に短縮された」「カルテ入力の時間が削減され、患者と向き合う時間が増えた」といった声が寄せられており、医療現場のデジタルトランスフォーメーションを力強く推進するソリューションとして、その存在感を増しています。
製薬企業向けソリューション「Ubie Pharma」と今後の展望
Ubieは、患者や医療機関だけでなく、製薬企業との連携も深めています。その中核となるのが、製薬企業向けのソリューション「Ubie Pharma(ユビー ファーマ)」です。このサービスは、月間1,000万人以上が利用する「症状検索エンジン ユビー」のプラットフォームを活用し、適切な情報を適切なタイミングで患者に届けることを目的としています。
具体的には、特定の疾患に関連する症状を検索したユーザーに対し、その疾患に関する正しい情報や治療の選択肢などを提示する疾患啓発コンテンツを提供します。これにより、診断までに時間がかかりがちな希少疾患や、自覚しにくい病気の早期発見・早期治療を促すことができます。この際、個人が特定されるようなデータは一切使用されず、プライバシーに最大限配慮した形で運用されています。
製薬企業にとっては、自社の医薬品が関連する疾患領域において、潜在的な患者層への認知度向上や、受診行動の促進につなげられるというメリットがあります。また、Ubieのプラットフォームは、新薬開発における臨床試験(治験)の被験者募集を効率化するなど、創薬プロセスの支援にも貢献する可能性を秘めています。Ubieは今後、これらのサービスを通じて得られるデータを活用し、患者、医療機関、製薬企業、さらには行政や研究機関をつなぐ「医療のエコシステム」を構築することを目指しています。
日本国内での事業を拡大するとともに、すでに米国をはじめとする海外への展開も進めており、グローバルなヘルステック企業としての成長が期待されています。テクノロジーの力で医療情報が分断されている現状を打破し、全てのステークホルダーにとって価値のあるプラットフォームとなることが、Ubieの大きな展望です。
まとめ:Ubieは患者と医療機関をつなぐ未来のインフラ
この記事では、注目すべきヘルステック企業Ubie(ユビー)が提供するサービスについて、その概要から具体的な使い方、各方面へのメリットまでを詳しく解説しました。Ubieは単なる症状検索ツールや電子問診システムを提供する企業ではありません。生活者(患者)にとっては、「症状検索エンジン ユビー」を通じて、体調の不安を解消し、適切な医療にアクセスするための信頼できる道しるべとなります。
いつ、どこで、どの診療科にかかれば良いのかという、医療の入り口における悩みを解決してくれる存在です。医療機関にとっては、「ユビーAI問診」が、日々の業務負担を軽減し、より質の高い医療を提供するための強力なパートナーとなります。医療現場のDXを推進することで、医師や看護師が本来の専門業務に集中できる環境を創出します。
さらに、製薬企業向けソリューションを通じて、疾患の早期発見や治療機会の最大化に貢献し、医療全体の発展を支えています。Ubieは、患者、医療機関、そして製薬企業という、医療を構成する重要なプレイヤーをデータとテクノロジーでつなぐ、まさに「未来の医療インフラ」を構築していると言えるでしょう。テクノロジーの力で医療体験がよりスムーズで質の高いものになる、そんな未来をUbieは着実に実現しようとしています。
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