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AI戦略研究所

《スマート畜産》で目指す新たな畜産の在り方

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日本における農業総産出額の中で畜産が占める割合は、約36%*¹。この畜産をより効率的に行うために、2014年頃からTPP対策施策の一環として、「畜産クラスター関連事業」が始まりました。また、その後日本が目指すべき未来社会のコンセプト『Society5.0』が提唱されたことも追い風になり、現在日本の畜産業ではスマート化が進んでいます。

今回、この記事では《スマート畜産》とはどのようなものなのかをご紹介します。

*¹農林水産省「農業総産出額と生産農業所得等の動向

▣目次

 ・スマート畜産とは
 ・スマート畜産導入のメリットや課題
 ・ICTで実現するアニマルウェルフェアな畜産

●スマート畜産とは

スマート畜産とは、家畜に関するデータや管理にICT 技術を導入することにより、IoT、クラウド、ビッグデータ、AI、ロボットが利用され、データの蓄積・分析に基づく PDCA サイクルを常により良い形にしていくことで、人手不足の解消、生産性向上、規模拡大・経営の多角化等を促進する動きのことです。畜舎の管理・監視、作業の自動化、経営支援

農業同様、畜産のスマート化においてもオランダは先進国です。オランダのFancom社の3Dカメラによる、豚の体重推定システムでは、カメラを通して体系から体重を推定します*¹。この技術は家畜の状態をリアルタイムに監視し、疾病の早期発見や健康管理に役立てられています。似たようなシステムは日本にもあり、デジタル目勘といい、日本の畜産業で最も普及しているもので、豚の画像を専用のハンディデバイスで撮影すると誤差4.5%以内で体重や推定枝肉量が表示されるようになっています:*²。他にも、プリマハムが豚の成長をカメラで監視、飼料の最適な配合ができるシステムを導入して、省人化やコスト削減、人の負担軽減にチャレンジしています。*³

*¹*²独立行政法人農畜産業振興機構「スマート畜産の現状と展開
*³日本経済新聞「デジタル畜産で生産性3割増 プリマハム、AIが飼料提案

●スマート畜産導入のメリットや課題

【メリット】
・生体情報センシング:作業負担軽減と生育・繁殖効率向上
・畜舎の管理・監視:家畜の生育促進と快適性向上、データの集積・分析
・作業の自動化:作業負担軽減、省人化
・経営支援:品質の向上、収益性・効率性向上、新規参入障壁の低減

【課題】
・費用対効果:導入や運営費用とは別に生産力向上に繋がるか不明瞭な部分があり、導入までにも時間を要する
・ITリテラシー:機器やアプリケーションの操作、通信ネットワークに対する知識、セキュリティ面の理解
・通信環境、機器トラブル対応:生活圏から離れた場所で営まれるケースが多いため、GPSなどを使う上で使用できるものが限られる

●ICTで実現するアニマルウェルフェアな畜産

アニマルウェルフェア(動物福祉)とは、人間が関わる動物に対して身体的・精神的に配慮しながら接するという考え方です。この考え方は、昨今、特に家畜の飼育において重要視されており、生産性だけを重視するのでなく動物に対して自然な行動を保障し、快適な環境を提供することを目的としています。スマート化が進む畜産の業界ではこのことに軸を置き、人がうまくICT技術を家畜に生かすことで、結果的に畜産品の品質を大幅に向上させ、生産性をより上げることにつなげられます。酪農においても搾乳ロボットをしようすることで収量が10%上がるというデータもあります。畜産業におけるスマート化は人によって対応が異なり、ムラが出る作業を統一することで人にとっても動物にとってもストレスの少ない環境をつくれるため、相性のいい業界であるといえます。アニマルウェルフェアな畜産を実現するためにも、当社のように伴走型でサポートを行い、サービス提供する企業と共にそれぞれの規模にあったICT化を進めていきましょう。

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著者

iwata

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