AIやARといったテクノロジーの発展に伴い、Beauty(美容)」と「Technology(技術)」を掛け合わせた「BeautyTech(造語)」という言葉が生まれた。2018年は“ビューティーテック元年”と言われ、その後、2000年代中頃から国内の化粧品メーカーでもビューティーテックの動きは加速している。
この記事では、美容業界でAIが活用された肌診断AIについてご紹介します。
▣ビューティーテックとは
ビューティーテックは大きく2つに分けられる。1つはそれ自体が商品であること、もう1つは商品を販売するための販売促進に活用すること。これらは、以下のような価値で消費者に提供されている。
・AR技術を使い、自宅にいながらメイクやヘアスタイルを仮想的に試すことができる仮想体験の提供
バーチャルメイクアップアプリなど
・AI(人工知能)による分析、AR/VRによるシミュレーション、スマートデバイスによる肌測定
スマートミラー、AI搭載のパーソナルファンデーションデバイス
・店舗に行かずとも、オンラインで製品の体験から購入まで完結させることができる、Eコマースへの応用
IoTを活用することで、美容はこれまで以上にパーソナライズされたものへと進化しました。
▣ビューティーテックにおけるAI活用事例
◎美容大国韓国で生まれたAIを活用した肌分析デバイス

開発するのはサムスン電子の社内ベンチャー育成プログラム「Creative Lab」からスピンオフした企業「lululab」が提供する「LUMINI」。自分の顔にデバイスをかざすだけで肌の状態を診断してくれて、現在の肌年齢、問題のある箇所、放置し続けた状態の肌がどうなるかを知ることができます。それだけではなく、結果を元に肌の改善に役立つ化粧品を提案してくれるといった機能もあります。サイズと重さは片手で持てるほどで、約15秒ほど目を閉じているだけで診断が完了。
デバイスを使用するユーザーが増えれば増えるほど診断データが蓄積されてより詳細な分析結果を得られるようになることがAIが導入されている強みです。韓国、オーストラリア、アメリカで使われているとのこと。
画像引用:https://www.lulu-lab.com/bbs/board.php?bo_table=news_en
◎世界最大の化粧品会社による生成AI を搭載したパーソナル ビューティアシスタント

世界最大手のロレアル グループと同社が買収したModifaceにより開発された肌診断ツール「Vichy SkinConsult」。AI技術を活用した新しいツールで、肌タイプにあわせて的確な肌診断を行う。
ベースとなるデータは、日本、フランス、中国、インド、米国の各国から、アジア、コーカサス(白人)、アフリカの3つの人種で女性の顔写真6,000枚以上を収集して設計されました。シワやシミ、毛穴などの診断結果が表示され、それぞれの肌コンディションに適した商品が提案される
◎皮脂RNA発現情報に基づく肌タイプ診断

美容系総合サイト「@cosme」を企画・運営している株式会社アイスタイルが、花王株式会社とパーフェクト株式会社*¹の技術を活用して、@cosmeアプリ内にスマートフォンで素顔の写真を撮影するだけで、皮脂中に含まれるRNA(皮脂RNA)発現情報に基づく肌タイプを即時に推定できる「肌遺伝子モード判定」技術を、「お肌のケアどき診断」として搭載しました。
今回、花王のRNA研究*²により開発された独自のAIによる新技術では、直接採取・解析する必要があったRNAの情報を、場所を選ばずにRNA発現情報に基づく肌タイプの推定を可能にしました。
*¹https://www.perfectcorp.com/ja/business
*²https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2025/20250521-003/
画像引用:https://business.cosme.net/column/trend/20250502
▣まとめ
AIにおける肌診断技術は、カメラで見える表面的なものから肌遺伝子を判別できる技術に至るまで進化を遂げています。また、肌の状態を知るのみならず、基調となるパーソナルカラーを正確に検出し、自分に合ったファンデーションの色などがわかるところまで来ています。ビューティーテックの進化は、ユーザーが個々の持つ性質を存分に発揮し、楽しめるコンテンツを作り上げていくでしょう。
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